クアルコムに対して公取委が排除措置命令


公正取引委員会は、9月30日、アメリカの通信技術大手クアルコム・インコーポレイテッドに対して、同社と日本の携帯電話メーカーとの間のライセンス契約について、メーカー側からクアルコムに対して特許権侵害訴訟を提起できないとのNAP(特許非係争)条項、メーカー側の知的財産権クアルコムに対して無償使用を認める条項等を、不公正な取引方法の拘束条件付取引として、排除措置命令を出しました。
クアルコムは、第三世代携帯電話(W−CDMA)に不可欠な通信技術を有し、通信技術の世界標準化に強い影響力を有する企業とされています。そのクアルコムが日本の携帯電話メーカーとの契約の際、NAP条項や無償許諾条項を締結させたことは、その知的財産権の圧倒的優位性を背景とするものであり、その本来の権利行使の範囲(独禁法第21条)を逸脱した濫用行為と言えるのではないでしょうか。