2009-01-01から1年間の記事一覧

全日空、米運輸省にATI申請

全日空は、ユナイテッド航空、コンチネンタル航空と、アメリカの運輸省にATI(Anti Trust Immumity)、つまり独占禁止法の免除を求める申請をしました。 これは、日本とアメリカにおいてオープンスカイ協定、つまり航空自由化協定に合意したことから、A…

FC−経営指導義務違反で新判決

フランチャイズチェーン「ごはん家まいどおおきに食堂」のFC店3社が、本部の経営指導義務の違反で損害が発生したとして、本部であるフジオフードシステム等に損害賠償請求訴訟を行っていた事案で、東京高等裁判所(南敏文裁判長)は、12月25日、請求棄却の…

キリンとサントリー、企業結合の事前相談へ

キリンホールディングスとサントリーホールディングスは、2011年春の経営統合をめざして、今年9月に、公正取引委員会に対して、企業結合についての事前相談の申し出をした、と伝えられています。 企業結合の事前相談は、公取委による書面審査として資料提出…

改正独占禁止法への対応―H.P.上で完了

H.P.「独占禁止法、法律相談」が、来年1月1日施行の平成21年改正独占禁止法の改正点を中心に全面的に改訂いたしました。 独禁法の改正に対応したH.P.がリニューアルでき、一安心しています。 今回の独禁法改正により、H.P.上の主な改訂は、「H21年独禁法改…

公正取引委員会の立ち入り検査

公取委が、12月15日、ロイヤルホームセンターに対して、納入業者の従業員を派遣させたり、売れ残り商品を一方的に返品したりしたことを、優越的地位の濫用として、立ち入り検査しました。 さらに、公取委は、12月17日、電線の販売に関するカルテルの疑いで、…

「改正独占禁止法への企業の実務対応」― 講演しました

「来年1月1日施行、改正独占禁止法への企業の実務対応―今、企業がなすべきこと!―」と題して、金融財務研究会にて、講演をしました。 当日は、遠方からの受講者の方もおられ、御器谷と福田の講演を熱心にお聴き頂きました。 平成21年改正の独禁法について、…

大分大山町農協の不公正な取引

大分大山町農業協同組合に対し、公正取引委員会は、不公正な取引方法第13項の拘束条件付取引に該当するとして、排除措置命令を行いました。 大山町農協は、「木の花ガルテン」と称する農産物直売店を8店運営していたところ、日田市内において他社が「日田天…

返済猶予法、いよいよ執行へ

12月4日、返済猶予法、正式名称は「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」が執行されました。 この法律は、国民新党代表の亀井静香金融相がかねてより主張されていた法律ですので、民主党への政権交代後早期に法律として成立…

競争法フォーラム年次大会開催(11月26日)

独占禁止法に関する法律実務を扱っている弁護士等の集まりである競争法フォーラムの年次大会が、11月26日、霞が関コモンゲート西館にある霞山会館で行われました。 当日は、基調講演として「改正独禁法の運用方針について」と題して、公取委経済取引局長から…

銀行のtyranny(横暴)

金融機関、その中でも銀行に対する見方は、私達弁護士と一般の方々との間には少なからぬ相違があるのではないか、と思われます。 銀行は、融資先の中小企業に対しては優越的地位にあり、その権限を乱用しているのではないかと思うことが度々ありました。 か…

優越的地位濫用事件タスクフォースって何?

公正取引委員会は、「中小事業者取引公正化推進プログラム」を発表し、その中で「優越的地位濫用事件タスクフォース」を設置する旨をプレスリリースしています。 このタスクフォースは、何なのか定かではありません。 「優越的地位の濫用に係る情報に接した…

公取委から消費者庁へ―ファミマ景表法違反

景品表示法は、すでに本年9月1日に、公取委から消費者庁に移管されています。 消費者庁は、11月10日、景表法に基づき、初めて、ファミリーマートに対して、おにぎりの具にブラジル産鶏肉を国産と表示したとして、景表法の優良誤認表示として措置命令を…

下請取引適正化推進シンポジウム

「下請取引適正化推進シンポジウム2009−望ましい企業間取引の確立を目指して−」が、11月4日に、全国中小企業取引振興協会の主催にて、ベルサール九段にて開催されました。 基調講演として弁護士の川越憲治先生から、「下請代金法と改正独禁法のポイン…

公正取引委員会の審判制度は廃止へか

民主党政権になってから、今迄の法制度も次々に変わっていくものがあります。 かねてよりその制度のあり方が問題となっていた公取委の審判制度は廃止される方針である旨が報道されています。 公取委の排除措置命令や課徴金納付命令に不服がある事業者は、今…

独禁法に基づく差止請求訴訟への文書提出命令の特則の導入

独占禁止法が本年6月に改正され来年1月1日より施行されます。この改正法によって、独占禁止法に基づく差止請求訴訟に、文書提出命令の特則、インカメラ手続、秘密保持命令等の新たな制度が導入されました。 独禁法に基づく差止請求訴訟においては、相手方に…

独禁法改正法の説明会

公正取引委員会による独占禁止法改正法の説明会が全国で開催されています。 スライドをプリントした「独占禁止法改正法の概要」と題するレジメによる講演ですが、さすが立法担当者による解説だけあって、分かりやすく、改正の趣旨がなるほどと頷くことが度々…

EU競争法も改正へ

EU競争法が改正され来年6月から施行される見通し、との報道がなされています。 改正のポイントは、EUでのシェア30%超の大型流通業者に対する不公正な取引条件の禁止、書籍やソフトウェアの知的財産権を保護するための販売業者や販売価格の設定を認め…

改正独禁法−来年1月1日施行が決定

改正独占禁止法の施行期日が、平成22年1月1日と決定されました。 独占禁止政策の強化を図った改正独禁法の施行が、あと2ヶ月余と迫っています。企業においては、この改正独禁法に対する実務的対応の準備を年内に行うことが要請されています。

改正独禁法の講演のテーマ、決まりました

12月に行う改正独禁法の講演のテーマが、「来年1月施行予定 改正独占禁止法への企業の実務対応 −今、企業がなすべきこと!−」と決まりました。 本年6月成立、来年1月施行予定の独占禁止法は、課徴金の適用対象を拡大し、企業結合規制を見直す等、一言でい…

日本経済法学会大会が開催

10月17日(土)、法政大学で、日本経済法学会大会が開催されました。年に一度の独占禁止法に関する唯一の学会だけに、全国から各大学の学者の方々を中心に集まられ、本年度は「不公正な取引方法規制の再検討」と題して、学者の方の発表と熱心なシンポジ…

ブラウン管国際カルテルで外国企業に初の課徴金納付命令

テレビ用ブラウン管の国際カルテルで、公正取引委員会は外国企業に対して、初めて課徴金納付命令を出しました。 課徴金の総額は33億円余。 独占禁止法の域外適用については、属地主義から効果主義への流れを感じますが、本件でも属地主義的要素を事実認定…

クアルコムに対して公取委が排除措置命令

公正取引委員会は、9月30日、アメリカの通信技術大手クアルコム・インコーポレイテッドに対して、同社と日本の携帯電話メーカーとの間のライセンス契約について、メーカー側からクアルコムに対して特許権侵害訴訟を提起できないとのNAP(特許非係争)条項…

久しぶりの慶応三田キャンパス

先日、慶応ロースクールの経済法総合の講義をするために、久し振りに三田キャンパスに行きました。 正門を入ってすぐの南校舎が建替工事中で、ロースクールのある南館には正門を左にぐるりと回って行くことになります。 平素、私達弁護士が執務している示談…

「改正独占禁止法への実務対応」−講演へ

改正独禁法の概要とこれに対する実務の対応について講演することが決まりました。 独禁法は、課徴金の適用範囲の拡大やリーニエンシーの適用範囲の変更、企業結合規制の見直し等を内容として、本年6月に大幅改正がなされ、来年1月には施行の予定となっている…

「独占禁止法ガイドQ&A」改訂版の執筆

かねて東京弁護士会独占禁止法部において各部員の共同にて執筆されていました「独占禁止法ガイドQ&A」(商事法務研究会より出版)を改訂するとの企画が3年位前よりあり、私も同部員として2年半位前に独禁法に基づく差止請求に関するQ&Aを5問執筆していまし…

オラクルのサン・マイクロシステムズの買収に、EUが調査へ。

オラクルのサン・マイクロシステムズの買収については、すでにアメリカの司法省がこれを承認していました。 ところが、EU欧州委員会クルス氏は、この買収につきEU競争法に基づき本格的な調査に入ると発表しました。 アメリカの独禁法当局とEUの独禁法当局に…

亜鉛めっき鋼板カルテル事件で、課徴金155億円。

公正取引委員会は、亜鉛めっき鋼板カルテル事件で、日鉄住金鋼板ら3社に対して、過去2番目の多額となる計155億の課徴金納付命令を発令しました。 この事件については、いくつかの特徴があるように思えます。 先ず、第一は、本件カルテル事件もJFE鋼板の…

セブンイレブン

このたび、当事務所が、コンビニ業界最大手であるセブン−イレブンのオーナー10名の代理人となり、セブン−イレブン・ジャパン社に対して提訴しました。 訴えの内容は、オーナーの意向を聞かないまま、税金や公共料金の支払いを一方的にオーナー側へ次々と強…

Leegin判決の衝撃−再販当然違法から合理の原則へ−

再販売価格維持行為と言えば、メーカーが卸売価格や小売価格を拘束するものとして、ブランド内価格競争を阻害する不公正な取引方法として独占禁止法上は「当然違法」としてとらえられていることが長く常識とされてきました。 ところが、2007年6月、アメリカ…

EU欧州委員会クルス氏vs.米司法省バーニー氏

世界の独禁政策の当局の稼ぎ頭は、EU欧州委員会のクルス氏ではなかろうか。EU欧州委員会が問題とする独禁法違反事件については、1,000億円を越す制裁金を連発し、その度にクルス氏が担当者として名前が出てきます。 数年前来日されたときも、クルス氏の自信…